ガレオンは横へは進めない

大航海時代OnLine、Notosサーバーで活動する造船軍人と冒険バカが表裏一体で繰り広げる横車押しの騒動記。絵とかも少々

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解題~「ふしぎな猫ボッテニャン」

猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが

 さて、復帰したらいきなり始まっていた今回のこれ。

 深夜帰宅、夕方出勤の毎日でしたが、何とか課金中のキャラ合計4人をめでたくイベント完遂させることができました。
で、まずは感想。

 なんというか、非常にきちんと作りこまれた感じのするイベントでした。といって、別に大掛かりな海事パートがあるわけではなく、遠方から交易品を運んでくるような、便乗商売を誘発する要素もありません。そういった要素を期待されてた方には、なんだか地味でつまんないイベント、と映ったかもしれません。
 しかし。先入観を捨てて表示されるテキストを注意深く読んでみると、これ実に味わい深いストーリーとなっていました。イベントを終えてみると、なにやらもう一度彼らに会いたくなります。7周年イベントで早速でてきてくれないものでしょうか。


ヤツは何者にゃーん


さて、登場するキャラクターについて少々解説を。

・ボッテニャン:猫神様の力で人間の姿に変化(へんげ)した猫。

・青年シャルル:両親を海難事故で失った天涯孤独の青年。

・ドン・フィリッポ:東方からローマを訪れた貴族

・サチ:故郷の戦で笑顔を失った娘。ドン・フィリッポの養女。

 ボッテニャンとシャルルについては、かなり多くの方が気づいておられると思いますが、シャルル・ペローの童話「長靴を履いた猫(Le Chat botté)の登場人物でしょう。元が民話だったためグリムなども同様の説話を記しており、バリエーションによっては今回のシャルルに当たる粉引きの息子は「ハンス」だったり他の名前だったりしますが、ペローのファーストネームである「シャルル」がチョイスされているのは、69年の東映動画アニメ「長靴をはいた猫」で猫の名前が「ペロ」であることと、好対照かもしれません。

アニメでは雄猫っぽいペロですが、猫は本来女性的なもの、とされている(由良弥生「大人もぞっとする初版『グリム童話』」参照)だけに、今回のボッテニャンは好キャスティングと思えます。・・・・しゃべりが「ニャ」とかの語尾を連発するものなのは一部で食傷気味だったようですがw

さて、問題はドン・フィリッポ。これも多くの方はすでにお気づきの通り、伊達藩から』遣欧使節として派遣された、支倉六右衛門常長の、洗礼名「ドン・フィリッポ・フランシスコ」に違いありません。エル・オリエンテの開幕で登場した天正遣欧使節の少年たちから遅れること30年。少年たちとは逆方向の太平洋横断コースでアカプルコへ向かった人物です。

余談ながら、ウィキペディアに掲載されたヨーロッパでの姿は、今回のキャラクターモデルにかなり似ていますw

ttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/51/Faxicura.jpg

 ちなみに、この記事を書くために調べていてわかったのですが、シャルル・ペローの生年は1628年、没年1703年。慶長遣欧使節が1613年から20年にかけてのことですから、絶妙にニアミスしています。最初は「また適当に童話と歴史トピックをマッシュアップしやがったな」と思ってしまいましたが、こうしてみるとどうも二つのモチーフのチョイスはねらい済ましたものらしい。

 そういえばイベントの中で二人の童話作家が登場しますが、ペローの童話集は子供を意識して書かれた、「最初の児童文学」とも言われているとのこと。びっくりすることにグリムより古いんだぜ。
その童話集を題材にしたイベントのキャラクターに頼まれて童話作家にアドヴァイスをしに行く、というのはなんとも錯綜したメタな展開ではあります。
・・・・と言うか下手したらあの童話作家二人、グリム兄弟だったりするのでは。

 どうやら今回のシナリオを担当したライターは、かなり意図的にそうしたメタ的な仕掛けをこのイベントに組み込んでいるようなのです。

ふわふわ時間と偽りと

 さて、ではこのボッテニャンイベントとはなんだったのか。

 もともとは「のぶニャが」とのタイアップイベントとして、「猫が絡んだものを」というくらいの発注が行われたのだろうと想像するのですが、大航海時代という鍋に放り込まれた題材は、必然的にというべきか劇的な出会いとふしぎな符合を得て、化学変化を起こした、あるいは、起こすように運命付けられていたようです。
 支倉の背景などはぼかされ、シャルルの出自も変えられていますが、これはこのイベントが「歴史」ではなく、「童話」として作られている、という証左なのかも知れません。以前に、「DOLではファンタジー要素は極力抑制されている」という内容の記事を書きましたが、童話であれば猫が人に変身して喋ろうがドン・フィリッポの旅の目的がぼんやりしていようが、さしたる問題ではないのですから。

 かくして現実と虚構がない交ぜになった大航海時代オンラインの、ふわふわとした時空間の中で「童話」と言う体裁を守りながらイベントは進んでいきます。

 日本についたプレイヤーを江戸で迎えるドン・フィリッポ。その頭上に表示された名前はなぜか、「支倉常長」ではなく初名の「支倉六右衛門」でした。これにも実は意味があります。

 遠藤周作が慶長遣欧使節を題材に書いた、「侍」という小説をご存知でしょうか。作中、主人公として伊達藩の片隅にある寒村を知行地とする地侍、六右衛門が登場します。ほとんどの場面で、会話文以外では「侍」としか表記されない彼は明らかに史実の常長のポジションなのですが、たどる運命はより過酷で、帰国後は禁教をやぶったという咎で処刑されてしまうのです。

 小説における彼らの旅はそもそも、史実のソテロに相当する宣教師・ベラスコの「日本にキリスト教を根付かせ司教に任命されたい」という野心のため、一地方領主たる伊達政宗、ではなく「日本国王」の名代として欧州へ向かう、という欺瞞に満ちたものです。背景にはベラスコの属するフランシスコ会(作中でのポーロ会)と、東方布教を当初独占していたイエズス会(作中ではペテロ会)の対立がありました。

 日本がキリスト教を理解しない野蛮な民族の国ではなく、神の恩寵に浴しうる民である、という証を見せるために洗礼を受け、支倉は六右衛門からドン・フィリッポとなりました。ですが、その実彼を含め使節団の信仰は、欧州との交易に便宜を得、使節の役目を全うするための方便と割り切ったものでした。
主君が日本国王であるという嘘。キリスト教に心から帰依しているという嘘。「侍」における支倉六衛門は、こうした2つの大きな「嘘」をまとわされた存在だったのです。

 主人であるシャルルを案じ幸福を願うボッテニャンの、やや暴走気味の策略に流されたシャルルもまた、「北方辺境伯」なる嘘の肩書きをまとわされています。
(*辺境伯=侯爵。ペローの童話での粉屋の息子が名乗る肩書きは「カラバ『侯爵』」)

 シャルルとドン・フィリッポ、二人の「嘘」がローマの地で合わせ鏡のように出会うためには、支倉は諱の「常長」ではなく「侍」を想起させる「六右衛門」でなくてはならなかった。私には、そう思えました。
 ローマでの知識収集イベントはやや中だるみに感じられますが、ココはまあそれほど力をいれずとも良かったのでしょう。

前半シナリオの報酬である「のぶニャが」関連アイテムを受け取ったところで、それまで邸宅の中で背景のようにぽつんとたっていた娘、「サチ」に物語のスポットが当たるからです。


「真実の口」のある町で


 サチは史実に登場せず、小説などにもモデルの見当たらないオリジナルな存在です。ただ、ドン・フィリッポをペロー版の国王に当てるならば、養女である彼女は王女ということになりますし、笑わぬ王女を笑わせたものを婿とする、というのは、古今の民話や童話にしばしば見られるモチーフです。

 戦の心痛で笑いを失った、というサチですが、このイベントの中では男たち二人に対比するように「真実」を象徴するキャラだといえるでしょう。シャルルの謝罪にたいして「シャルルさんが誰だろうと関係ない」と答える姿にはシンプルな強さを感じられます。「ふしぎな顔立ちだけど、キレイな人だな」とシャルルが賛嘆するのはそういうことなのでしょう。(このシャルルのせりふは、かなり注意してメッセージを拾わないと気づかないと思います。流される一方に見えたシャルルが垣間見せる、自発的にサチに対しての思いを言葉にした、隠れた名せりふでした)
あるいはサチの強さは、笑いを取り戻したことによって得られた、嘘や虚飾を剥ぎ取る力なのかもしれません。

 サチ(ペローの童話では王女)の前で自らの欺瞞を告白し謝罪するシーンはそもそも東映アニメの中で見られたものですが、そのシャルルに「君の嘘はみんなの努力で真実となった」と告げる、ドン・フィリッポの心中には、自らもまた嘘を真実に転じて、晴れて故国の主君に復命したい、と言う切ない思いがあったのではないでしょうか。シャルルを許すときの彼はおそらく、自らも許されたいと願ったはずです。


 もうお分かりになったかと思います。このイベント、「ふしぎな猫ボッテニャン」は、ペローの童話をなぞった脱力系のイベントのような外見とは裏腹に、歴史の転換点で不遇のうちにその一生を終えた支倉常長を、あるいは帰国もむなしく渡欧を命じた同じ主君の命令で処刑された六右衛門を、ボッテニャンの嘘から生まれサチとシャルルの結婚という形で実った素朴な真実によって、ゲームの中とはいえ救済する、鎮魂の儀礼だっといえるでしょう。

その証拠に。

 イベント終了後に江戸の町で「今すぐにでもサチに会いに行きたくなった」と笑う支倉の笑顔の、何と晴れやかなことでしょうか。とてもこれから蟄居させられる、あるいは処刑される男の姿とは思えません。
ローマ教皇への拝謁がどのような結果になったかはぼかされていますが、大航海時代オンラインの江戸は、伊達政宗が実力者(殿)として座敷に待つ、奇妙な江戸です。(そういえばエルオリエンテで登場した実力者たちは、史実においてはいずれも次代の覇者となりえなかった不遇の人物ばかりなのですが)

 この人物配置まで計算して組んだとしたら、シナリオ担当者の手腕は相当なものです。ある意味ここでは政宗こそが日本の王であり、結果として支倉六右衛門がまとわされた「嘘」は、ゲームという虚構の中においては逆転され、真実として昇華してしまうのですから。


 それにしても、イソップからオシラサマ伝説、GOTHAMの賢人たち、ブレーメンの音楽隊までネタとして盛り込んだこのイベントをこれだけの意味性を読み取りうるものとしてまとめ上げ、本来のストーリーから換骨奪胎してしまうこの手腕・・・・・・・・・


 なんだかロンドンにいるあの人の史実での作風を髣髴とさせて、にやりとさせてくれますねw

文豪
どう、泣ける?

いや、実はこのシナリオあんたが書いてるんじゃ、とも思ったんだが。

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急遽一言だけ

アレクサンドリアアップデートですか・・・

新型ガレーのとってつけた感にちょっと微笑。そして脳裏をよぎった意地悪い疑問。


アのつく船のてこ入れって・・・・

アラビアンガレーだったりしてな!!



似顔絵ですがその後もいやになるほど作業時間が取れませんでした。
朝7時半に家を出て満員電車に1時間揺られ、終業6時の後また1時間半ほどかけて家に帰ると
帰宅後4時間程度は残るのですが翌朝が速いので去年のような夜更かしでの突貫作業が無理。

26日から契約切れでフリーになるのでその時にでも仕上げようと思いますが、
「あまりに遅すぎる、金返せ」というお声があれば無理からぬことですので返金いたします。
作業はそのまま続けますので完成の暁にはご笑納ください。

ああ、なんでこうもダメダメになってしまったのかなあ。

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商会イベントのお知らせ あにまる大船団=楓=

 かつて、一人の男がいた。ヴァイキングの末裔を標榜し、冒険と戦いと、そして
世界中の人々の心を結び合わせる芸能の旅に、その人生を費やした男。

 彼の夢のひとつ―かつて北米を発見したヴァイキングのように、北米へガレー船で
一番乗りを果たす。その夢は未完に終わったが、皮肉にもいま、時代は北米大陸開拓の
時を迎えようとしている。


在りし日のジントック2

 彼の残した商会が、今もセビリアにある。その名を、「あにまる大船団=楓=」。
心無いプレイヤーの行動によって傷つき、ゲームを離れた友の名を、おそらくは
織り込んだであろうその商会名。

いつしか時は流れ、その男自身もゲームを去った。だが、彼が友の帰りを待ったように
今もセビリアで、彼の帰りを待つ商会員たちがいる。そして―





かくして思いは受け継がれ、伝えられる
【“商会イベントのお知らせ あにまる大船団=楓=”の続きを読む】

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今年最初の記事

バレンタイン中止のお知らせ

バレンタインデーの本日ですが、現在東京は大雪で、ホワイトが冠についてしまうので
バレンタインと中和してしまい何もありません(嘘

ひー寒い、記事かいてる時点でそろそろ積雪10cmいってないか。雪国の人から見れば
「この程度で何を」、なんでしょうけど・・・

もう雪なんかうれしくも珍しくもないよ!

ちなみにバレンタイン前後に予定していたゲーム内でのスイーツ配送引き受け企画、
これも中止です。

まさかの大海戦が実施され、グレッグも出てたもので。
N専で戦功合計300近くいただきました。ロンドンに帰ったら騎士様です(イェー)

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経過報告

さっきアップした記事ですが、意外な形で解決しました。
情報がないことでプレイヤー間に広がるうわさや推測って恐ろしいねー

詳しくは次の記事で。請うご期待!
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